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住友電気工業、高温超電導ケーブルで構成される配電システムの長期実証運転を開始

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2013.01.25 【情報源】企業/2013.01.22 発表

 住友電気工業は、高温超電導ケーブルで構成される配電システムの長期実証運転を1月に始めた。大阪製作所(大阪市此花区)にある超電導線材製造工場への3.3kV配電系統に設置し、機器やシステム全体の信頼性を調べる。データセンターなどの低電圧・大電流配電システムへの高温超電導ケーブルの採用を視野に入れて実施する。
 高温超電導ケーブルは−196℃の液体窒素で冷却する高温超電導の線材を使う電力ケーブル。−269℃の液体ヘリウムで冷却する低温超電導と比べて冷却設備が小型になり、コストも抑えられる。高温超電導ケーブルは直流の送電損失はゼロで、交流でも損失はわずかだが、実証運転では線を細くコンパクトにして交流損失も低減する。
 実証運転のシステムは、長さ35mの高温超電導ケーブル2本と、データセンターなどへの導入を想定した超電導分岐箱、液体窒素循環型冷却システムなどで構成する。冷凍機で過冷却した約−200℃の液体窒素を、通常の電力系統(常電導)とつながる接続部分から高温超電導ケーブル内に循環させ、システム全体の超電導状態を維持する。
 複数台の冷凍機を順番に稼働させることで長期間の運転を可能にする。途中には約18mの高さで高温超電導ケーブルを垂直に設置した部分もあり、敷設工法や、高低差が大きい設置条件でのシステムの安定性も検証する。長期運転は無期限となり、システムの信頼性の実証に加え、得られるデータを分析して最適な保守体制の確立を図る。【住友電気工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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