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環境ニュース[国内]

地球温暖化と海洋酸性化が日本近海のサンゴ分布に及ぼす影響の予測に初めて成功!

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2013.01.09 【情報源】国立環境研究所/2013.01.09 発表

 (独)国立環境研究所は、平成25年1月9日、地球温暖化と海洋酸性化が日本近海のサンゴ分布に及ぼす影響の予測に初めて成功したことを明らかにした。
 公表によると、北海道大学,国立環境研究所,スイス連邦工科大学チューリッヒ校,ベルン大学の研究者は,炭素循環を含む気候モデル(注1)によって出力された海水温とアラゴナイト飽和度(注2)のデータを用いて,地球温暖化に伴う海水温上昇と海洋酸性化により,日本近海でサンゴが生息できる領域(サンゴ分布可能域)が将来大幅に縮小することを予測した。
 国立環境研究所では、この研究は将来の海水温上昇と海洋酸性化の両方がサンゴ分布に及ぼす影響を予測した世界初の研究であり,健全なサンゴ礁生態系の維持のためには二酸化炭素排出を減らす対策が不可欠であることを示すものであることから、今後、二酸化炭素排出シナリオによる予測結果の違いやサンゴの順応・適応を考慮した研究を推進し,地球温暖化・海洋酸性化の両者を考慮した二酸化炭素排出量の上限を提示したいとしている。

(注1)気候モデル:大気や海洋の状態を計算し,気候を予測するために用いられるもの。
(注2)アラゴナイト飽和度:サンゴ骨格の多くは炭酸カルシウムのうち比較的溶けやすい結晶形であるアラゴナイト(アラレ石)で形成されている。サンゴは現在,アラゴナイト飽和度の大きい海域(およそ3以上)に分布しているが,二酸化炭素が海に溶け込むことによって生じるアラゴナイト飽和度の低下は骨格を形成する石灰化能力の低下・阻害を引き起こすと知られている。化学平衡論ではアラゴナイト飽和度が1を下回るとアラゴナイトは溶解する。

【(独)国立環境研究所】

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