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環境ニュース[国内]

三菱重工業、「さやえんどう」の形をした次世代省燃費LNG船の第1番船の建造を開始

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.12.14 【情報源】企業/2012.12.11 発表

 三菱重工業は、「さやえんどう」の形をした次世代型省燃費LNG液化天然ガス)運搬船の第1番船の建造を長崎造船所(長崎市)で始めた。大阪ガスと商船三井向けに受注した2隻のうち1隻となり、2014年度の完成・引き渡しを予定する。球形タンクを複数備えた「MOSS(モス)方式」と呼ばれる従来船の船体構造の改善などで燃費性能を大幅に高めた。
 船体と一体構造になった連続タンクカバーで4基の球形タンクを覆う形が特徴。複数の豆が覆いに収まっているサヤエンドウに似ていることから、さやえんどう船型と名付けた。船全体の強度を確保しながら軽量化できるうえ、航行中の風圧の抵抗を低減する。タンクの頂上で配管、電線、通路を支える構造物も不要になり、メンテナンス性も向上する。
 主機関には、蒸気を再度加熱して利用することで熱エネルギーの効率を高めた新型タービンを採用。軽量化、船体構造の効果と合わせ、燃費は従来船と比べて単位荷物あたりで約25%低減できる。船舶のバランスを保つために搭載する海水のバラスト水を処理する装置も備え、バラスト水とともに運ばれる微生物が要因の海洋生態系への影響も軽減する。
 建造を始めた船は、長さ288.0m、幅48.94m、総トン数は13万8000t。LNGを15万3000m3積むことができる。長崎造船所では起工式を開き、建造期間中の安全を祈った。さやえんどう船型の累計受注は5隻にのぼり、省エネ型の開発が進む日本の船舶業界で注目を集めている。三菱重工業は今後も、さやえんどう船型をはじめ、環境対応船の提案を推進する。【三菱重工業(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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