アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2012.12.13 【情報源】環境省／2012.12.13 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構に申し出のあった、医療費等の申請103件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求37件（注2）に対して、認定疾病に関する医学的判定を平成24年12月13日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、98件中58件（中皮種49件、肺がん9件）が「認定疾病と判定」、14件（中皮種8件、肺がん6件）が「認定疾病でないと判定」、26件（中皮種17件、肺がん9件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、5件中3件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚1件）が「認定疾病でないと判定」、2件（全て石綿肺）が「判定保留」であった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求では、『施行前死亡者に係るもの』に関しては、7件中6件（中皮種1件、肺がん5件）が「認定疾病でないと判定」、1件（肺がん）が「判定保留」であった。『未申請死亡者に係るもの』に関しては、28件中11件（中皮種9件、肺がん2件）が「認定疾病と判定」、7件（中皮種2件、肺がん5件）が「認定疾病でないと判定」、10件（中皮種7件、肺がん3件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しての判定はなかった。
　これにより、これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は4,448件（中皮腫3,642件、肺がん806件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては51件（石綿肺13件、びまん性胸膜肥厚38件）、特別遺族弔慰金等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が147件（中皮腫5件、肺がん142件）、『未申請死亡者に係るもの』は413件（中皮腫328件、肺がん85件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、『施行前死亡者に係るもの』が6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）、『未申請死亡者に係るもの』が1件（びまん性胸膜肥厚となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち30件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち19件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】