一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工業、世界最高効率の最新ガスタービンの長期実証が100回・8000時間を突破
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.12.12 【情報源】企業/2012.12.07 発表
三菱重工業が実施している世界最高効率を誇る最新ガスタービンの長期実証運転が、試運転開始後の累計で起動回数100回、運転時間8000時間を突破した。高い信頼性が裏付けられたという。このガスタービンは独自技術で開発した「M501J形」と呼ぶ60Hz機で、高砂製作所(兵庫県高砂市)内にある実証設備の発電所で2011年2月から運転を続けてきた。M501J形は、世界トップとなるタービン入口温度1600℃を達成した。入口温度が高いほど効率は向上するが、高温に耐えられる材質や高度な熱設計が求められる。ガスタービン単機の出力は約32万kWあり、蒸気タービンを組み合わせたガスタービン・コンバンドサイクル(GTCC)発電だと約46万kWを実現する。熱効率は世界最高水準の60%以上となる。
1号機は、既に関西電力の姫路第2火力発電所(兵庫県姫路市)に据え付けられ、商業運転に向けて試運転を進めている。同発電所は、出力48万6500kWの天然ガスたきGTCC発電設備を6基備え、総出力は291万9000kW。M501J形は全6基の中核機器になる。建設工事は順調に進み、2013年10月の1号機を皮切りに2015年6月の6号機まで順次、商業運転を始める。
GTCC発電は、ガスタービンで発電した後、その高温の排ガスを利用して蒸気タービンでも発電する効率の高い仕組み。GTCC発電にM501J形を使うと、従来型の石炭たき火力発電と比べ、CO2排出量を50%低減できる。今春には韓国の4カ所の発電所向けに計10基を連続で受注し、累計受注は16基に達した。三菱重工は今後も積極的に受注活動に取り組む。【三菱重工業(株)】