一般財団法人環境イノベーション情報機構
「第7回日本・モンゴル環境政策対話」を開催
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2012.11.28 【情報源】環境省/2012.11.28 発表
環境省は、平成24年11月20日に、東京で開催した「第7回日本・モンゴル環境政策対話」の概要を公表した。日本・モンゴル環境政策対話は、日本、モンゴル双方の環境分野の政策や課題について意見交換を行うとともに、環境分野での連携について認識を共有することにより、両国及び地域の環境政策の進展を図ることを目的とするもの。
今回の対話では、[1]気候変動対策、[2]水銀対策、[3]エコツリーズムの推進、[4]自然保護、[5]日本・モンゴル間の環境協力(アスベスト、大気汚染、フロン対策、等)−−などについて意見交換を行った。
その結果、気候変動対策の緩和策については、日本側から、モンゴルとの二国間オフセット・クレジット制度の構築や、モンゴルにおける適切な排出削減行動(NAMA)実施に向けた能力構築活動について紹介し、モンゴル側からこれらの取組に対する謝意が述べられた。また二国間オフセット・クレジット制度構築に向けた取組を加速化することで双方が合意した。適応策については、日本が支援する気候変動への脆弱性の低減と適応策の推進に関する研究に対し、モンゴル側から高い関心が示され、科学をベースにした適応策の早急な実施の必要性について両国で認識を共有した。併せて日本が支援するAPAN(アジア太平洋適応ネットワーク)への支持が表明された。
水銀対策については、鉱山開発が進むモンゴルにおける水銀対策の重要性について両国で確認するとともに、具体的な水銀対策にかかる協力について両国で前向きに検討することに合意した。また、水銀によるリスクの削減のための国際条約制定に向け日モンゴル両国で積極的に貢献することを確認した。さらに、モンゴルより条約を「水俣条約」と命名することへの支持が表明された。
エコツーリズムの推進については、モンゴル側から、ハルヤマートとボガートにおいて実施中の、エコツーリズム推進に係る協力事業の成果についての報告が行われ、日本の協力に対し謝意が示された。戦略策定を含むさらなる協力についても議論が行われた。
自然保護については、モンゴル側から生物多様性保全の現状についての説明に続き、日本の技術協力への期待が示され、今後、具体的協力の可能性について検討することで合意した。 また、モンゴルにおける砂漠化の現状についてモンゴル側から説明があり、早急な砂漠化対策の重要性が強調された。日本からは、牧草地の持続可能な利用方策を検討する事業が紹介され、引き続き協力を推進することで合意した。
日本・モンゴル間の環境協力については、日本側から、実施中の協力事業について紹介し、アスベスト規制や代替品の普及に向け、情報交換を進めることで合意した。
大気汚染対策については、測定能力の向上に関する協力の要請があり、今後EANET(東アジア酸性雨モニタリングネットワーク)等を通じて連携を進めることで合意した。
この他、両国で実施中のフロン対策、我が国が推進する環境未来都市等について意見交換が行われた。【環境省】