一般財団法人環境イノベーション情報機構
日産自動車、EV「リーフ」をマイナーチェンジ、電費を改善して新グレードも投入
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2012.11.22 【情報源】企業/2012.11.20 発表
日産自動車は、電気自動車(EV)「リーフ」をマイナーチェンジして11月20日発売した。軽量化や駆動システムの効率向上などで電費(交流電力量消費率)を改善し、1回の充電での航続距離を延ばすとともに、価格を抑えた新しいグレードを投入した。全国の販売会社での急速充電器設置店舗の拡大も進めてEVの課題解消につなげ、一層の普及を目指す。駆動系の機能を統合してユニットを一体化すると同時に、バッテリーモジュールとケースの構造を簡素化したり、各部品を軽くして現行のリーフと比べ、約80kg軽量化。さらに、回生ブレーキシステムの制御を改め、高効率に回生させてエネルギー回収量を増やした。これらの効果で実走行に近いJC08モードで満充電の航続距離が200kmから228kmに伸びた。
新グレードは「S」と呼び、価格は334万9500円。国の補助金が最大78万円活用でき、実質250万円程度で購入可能にした。急速充電設備の設置も推進し、販売会社の急速充電器設置店舗数を現在の400店舗から2012年度末までに700店舗に拡大。3店に1店以上の割合にする。航続距離、車両価格、充電インフラといったEV購入時の不安を取り除き、販売増を図る。
マイナーチェンジしたリーフには、レアアース(希土類)の1つ、ジスプロシウムを40%削減したEV用モーターを搭載した。ジスプロシウムは産出地域が限定されるものの家電や電動車両などで需要が伸び、EV普及のために使用量削減が重要になっている。リーフは世界初の量産型EVとして2010年12月に発売。これまでに世界で4万3000台以上を販売した。【日産自動車(株)】