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環境ニュース[国内]

住友電気工業など、高温超電導ケーブルを電力系統に連系する初の実証実験を開始

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.10.31 【情報源】企業/2012.10.29 発表

 住友電気工業は、東京電力、前川製作所などと高温超電導ケーブルを電力系統に連系する国内で初の実証実験を始めた。液体窒素による冷却で超伝導状態を維持し、ケーブルの運用、信頼性や安定性を検証する。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとなり、住友電工が開発した高温超電導線を改良して採用した。
 発電所で作った電気は、送電線の電気抵抗などから家庭に届くまでに一部が失われるが、超電導ケーブルは電気抵抗がほとんどなく、電気のロスを大幅に削減できる。NEDOのプロジェクトは、超電導ケーブルの実用化を目的に2007年に始まり、これまでに超伝導ケーブルや接続部、冷却装置の開発を行ってきた。最終年の2013年を前に、系統につなぐ。
 東京電力の旭変電所(横浜市鶴見区)に240mにわたって高温超電導ケーブルを設置した。超電導は、ある温度以下になると電気抵抗がゼロになる現象を指し、高温超電導ケーブルは、−196℃の液体窒素で冷却する高温超電導の線材を使った電力ケーブル。−269℃の液体ヘリウムで冷却する低温超電導と比べて冷却設備が小型になり、冷却コストを低減できる。
 旭変電所では運用設備の一部に高温超電導ケーブルを導入し、このケーブルを経由した電気を実際に家庭などに供給する。約1年間の連続運転を行い、住友電工は超電導ケーブル、前川製作所は冷却システムの長期性能を検証。東京電力は系統への影響やシステムを評価する。今後各社は、通電容量の拡大や建設コスト低減、高効率冷凍機の開発を進める。【住友電気工業(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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