NEC、イタリアの電力大手系から欧州最大級のリチウムイオン蓄電システムを受注

【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2012.10.22 【情報源】企業／2012.10.18 発表

　NECは、イタリアの電力大手、エネル系のインフラ開発会社、エネルディストリビュゾーネから、欧州最大級の大容量リチウムイオン蓄電システムを受注した。スマートグリッド（次世代送電網）構築に向けた実証実験用となり、2MWh（2000kWh）の容量と、2MW（2000kW）の出力を実現する。実験を行う同国南部カラブリア州の変電所に設置される。

　蓄電システムは、電力品質を安定化する実証実験に使われ、風力発電、太陽光発電といった気象状況に左右される再生可能エネルギーの発電量変動による電力系統への影響を吸収する。実験を通して発電量と電力消費の需給バランスを保ち、電力系統のエネルギー損失を最小化することで、再生可能エネルギーの流れの最適化に関して有効性を検証する。

　NECは2011年4月にエネルと、蓄電システムを中心にした効率的なソリューション開発について、戦略的提携関係を構築。大容量蓄電システムの受注は、その関連となる。NECのイタリア法人は、エネルが推進する実証実験プロジェクトなどエネルギー事業を推進し、イタリア経済開発省と蓄電システム生産などの可能性調査を目的に同意書を交わしている。

　イタリアは2011年の太陽光発電量が欧州で最大。エネルへの蓄電システム供給は、NECが電力系統や配電網で利用できる大型蓄電システム事業を欧州市場で展開する第1歩になるという。NECは、リチウムイオン電池と情報通信技術の両方を保有するメーカーで、組み合わせによる蓄電システムや効率的な電力管理システムが開発できることが強みになる。【日本電気（株）】