一般財団法人環境イノベーション情報機構
ローム、携帯用電源に使用できる小型・軽量・高出力の水素燃料電池を共同で開発
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2012.09.24 【情報源】企業/2012.09.18 発表
ロームは、スマートフォン(高機能携帯電話)向けをはじめ携帯用電源に使用できる小型・軽量・高出力の水素燃料電池を、燃料電池開発ベンチャーのアクアフェアリー(京都市西京区)、京都大学と共同で開発した。乾電池、リチウムイオン電池や従来のメタノールを使う燃料電池の問題点を解消する。今後改良を進め、2013年の製品化を目指す。開発した水素燃料電池は、独自技術で固形にしたカルシウム化合物の水素化カルシウムの小型シートと水で水素を発生させ、電力を創る。3ccに満たない体積のシートと水で約4.5Lの水素ができ、5Whの電力を創り出す。小型で常温で動作するため、携帯機器の充電や災害時の電源に活用でき、電池容量5Whのスマートフォンなら約2時間でフル充電になる。
出力を高めるのにボンベが必要で小型化が難しいメタノール水素燃料電池の弱点を克服する。水の合成で発電することから発電時に発生するのは水(水蒸気)だけで、使用するのは水とカルシウム系燃料だけとなり、CO2や有害物質の排出がない。廃棄する場合は一般廃棄物として捨てられ、乾電池やリチウムイオン電池と比べて環境負荷を抑制する。
ロームの電源回路、アプリケーション開発技術と、アクアフェアリーの燃料電池技術を組み合わせて開発した。今後、信頼性の評価と改良を行い、スマートフォン向けの製品を展開するとともに、電源が確保できない遠隔地の地震計用燃料電池の販売を2013年4月に予定。従来の鉛蓄電池と比較して4分の1に軽量化し、3kgの重さで400Whの大容量を実現した。【ローム(株)】