一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝・京セラ・伊藤忠など、米国ニューメキシコ州でスマートグリッド実証を開始
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2012.09.21 【情報源】企業/2012.09.18 発表
東芝、京セラ、伊藤忠商事、シャープ、NEC、日立製作所など11社は、米国南西部のニューメキシコ州に完成したスマートグリッド(次世代送電網)の実証設備で運転を始めた。天候で発電電力が変動する太陽光発電システムを大量に導入し、大型蓄電池の利用と、需要家による電力消費の調整(デマンドレスポンス)で電気の流れを制御して品質を確保する。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が同州政府などと共同展開する日米スマートグリッド実証プロジェクトの一環で、日本の技術の海外展開が狙いとなる。5月に始まった同州アルバカーキ市での実証に続き、ロスアラモス郡で実施する。11社はNEDOの委託で参加し、スマートグリッドとスマートハウス(次世代型環境配慮住宅)を実証する。
スマートグリッド実証では、1MW(1000kW)規模の太陽光発電システムで発電した電力を3つの配電線に接続し、切り替えて導入比率を変える環境を構築。地域のエネルギー管理システムで大型蓄電池とスマートハウスを含む需要家のデマンドレスポンスを行い、太陽光発電の出力変動を吸収しながら、配電線の電力の流れを既存の電力システムと協調して最適制御する。
スマートハウス実証は、3.4kWの太陽光発電、24kWhのリチウムイオン電池、ヒートポンプ給湯器やLED(発行ダイオード)照明を導入。ホームエネルギー管理システムを構築して住宅内の電力利用を最適にする実証を行う。委託先リーダーはスマートグリッド実証が東芝、スマートハウス実証は京セラが務める。各社は実証データを活用して他地域での展開につなげる。【(株)東芝】