一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、風力・太陽熱・バイオマスを組み合わせたバイナリー発電の技術開発を開始
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2012.09.14 【情報源】企業/2012.09.11 発表
東芝は、再生可能エネルギーの風力と太陽熱、バイオマスを熱エネルギー源として組み合わせたバイナリー発電の技術開発を始める。神戸製鋼所、慶応大学とともに、環境省が公募した「2012年度温暖化対策技術開発・実証研究事業」の「風車・太陽熱・バイオマスボイラーを組み合わせたバイナリー発電に関する技術開発」が、補助事業に採択された。気象条件によって発電出力が変動して送電網への影響が大きい風力、太陽熱といった再生可能エネルギーの課題の解決が目的。沸点の低い媒体を加熱・蒸発させて蒸気タービンを回すバイナリー発電と組み合わせることで、自然条件に関わりなく安定した電力を供給できるようにする。同時に温水も供給する。研究期間は9月から2014年度末までとなる。
東芝が全体の取りまとめと、太陽熱集熱装置、発電システム全体を制御するシステムの開発を担当し、神戸製鋼が太陽熱集熱装置と木質バイオマスを熱源にしたバイナリー発電システムを開発。慶応大は東芝とともに、風力発電の変動を抑制するソフトや出力を平準化する制御技術、風力の電力変動分を太陽熱集熱装置の出力に加算するシステムを手掛ける。
システムは、兵庫県南あわじ市に建設する。2012年度に整地を行い、2013年度春からシステムを順次据え付けて稼働させる。風力発電は既存の1.5MW(1500kW)の設備を活用する。システムの総工費は約6億8000万円で、約半分は環境省からの補助金となる。兵庫県や南あわじ市などが推進する地域活性化総合特区事業の一環でもあり、県や市の協力も受ける。【(株)東芝】