一般財団法人環境イノベーション情報機構
大和ハウスグループの大和リースなど、下水汚泥からのバイオ水素製造実証試験に着手
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2012.09.13 【情報源】企業/2012.09.10 発表
大和ハウスグループで建築リースや環境緑化事業などを手掛ける大和リースと、豊田通商、三井化学、ガス化発電・水素回収プラント関連事業のジャパンブルーエナジー(JBEC・東京都千代田区)は、水素に関する事業研究会を発足させ、下水汚泥を原料にバイオ水素ガスを製造する実証試験に着手した。燃料電池車や定置型燃料電池への供給を目指す。大和ハウス工業とトヨタ自動車もオブザーバーで参加している。研究会は、HIT事業研究会の名で、HITはハイドロゲン(水素)・イノベーション(技術革新)・タウンを意味する。各社が保有する専門知識やネットワークを集め、実証試験を通してバイオ水素に関する技術ライセンス、プラント建設、製造した水素の流通・販売などを共同で推進する。
実証試験は、JBECが所有する島根県出雲市の実証プラントで実施する。これまでの試験で下水汚泥を加熱ガスにすることで水素を主成分とするガスが得られ、下水汚泥が持つバイオ水素の原料としての潜在性を確認した。今後、実証プラントで連続運転試験を行い、製造技術を確立すると同時に、商用規模のバイオ水素製造プラントとモデル事業を構築する。
研究会は将来、一般的な化石燃料からではなく、多くが焼却処分されている下水汚泥から水素を作り出す技術の導入を各地の下水処理場で進める計画で、普及が見込まれる燃料電池車、燃料電池バス、住宅用や業務用の定置型燃料電池向けに水素を供給する。住宅の下水からは再び水素が製造でき、水素を地産地消する低炭素・循環型の街づくりにつなげる。【大和リース(株)】