一般財団法人環境イノベーション情報機構
ホンダ、スチールとアルミの接合技術を開発して車を軽量化、触媒の貴金属も半減
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2012.09.10 【情報源】企業/2012.09.06 発表
ホンダは、スチールとアルミの接合技術を開発した。世界で初めて量産車の骨格部品に適用して車両の軽量化を図り、燃費向上につなげる。触媒に使う貴金属の1つ「ロジウム」の使用量を50%低減する新触媒も開発した。両技術とも、米国で9月16日に発売する北米仕様の乗用車、新型「アコード」から採用し、順次、拡大していく。スチールとアルミの異なる金属を接合する技術は、車両前部の下側にあるサブフレームと呼ぶ部分に利用する。スチールにアルミを重ね、その上から圧力を加えながら回転するツールを移動させ、スチールとアルミの間に安定した結合を生成する。従来の溶接と同等以上の強度で接合でき、スチールと比べて25%の軽量化が可能になる。
さらにこの技術を活用してサブフレームとサスペンション(懸架装置)を取り付ける部分の構造を改良し、強さを20%高めて車の運動性能も向上させた。接合する際のシステムは産業用ロボットを使う方法となり、量産車に適用でき、アルミとアルミの接合にも流用可能。高感度赤外線カメラとレーザー光による検査システムも開発した。
触媒に関しては、排出ガスの還元浄化性能に優れるロジウムの一部を、パラジウムに代えた。パラジウムは浄化性能が不足しているためロジウムが必要になるが、パラジウムの性能を高め、代替を可能にした。現行のアコードと比べ、ロジウムの使用量を半減するほか、貴金属の総使用量を22%低減できる。触媒のコストも37%削減する。【本田技研工業(株)】