一般財団法人環境イノベーション情報機構
東レ、アラブ首長国連邦の海水淡水化プラント向けに逆浸透(RO)膜を連続で受注
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.09.10 【情報源】企業/2012.09.06 発表
東レは、アラブ首長国連邦(UAE)の海水淡水化プラント向けに、逆浸透(RO)膜を2件連続で受注した。2013年度の稼働を予定している。2カ所のプラントを合わせた造水量は1日あたり11万3000m3となる。RO膜は水を通し、塩類など水以外の不純物を透過しない性質を持つ。これまでのアラビア湾沿岸での実績が評価されて受注した。受注したのは、アジュマーン首長国のアル・ザウラ海水淡水化プラントと、ラス・アル・ハイマ首長国のガリラ海水淡水化プラント。どちらも連邦電力・水庁(FEWA)が管轄する。アル・ザウラは1日の造水量が4万5000m3でスペイン企業が建設し、ガリラは同6万8000m3でUAEの会社が造る。これで東レのUAEでの納入は同48万m3となる。
東レはバーレーン、クウェート、サウジアラビアの海水淡水化プラントにもRO膜を納入し、業界トップの実績を誇る。アラビア湾は温度が高く、海水の塩分濃度も日本近海の1.5倍なため、エネルギーを多く消費する蒸発方式が主流で、RO方式は限定的だった。今回の連続受注でアラビア湾でのRO方式採用に弾みがつく、と期待している。
水不足への対応や環境に配慮した水資源確保が求められる中、世界のRO膜市場は成長を続け、海水淡水化に加え、都市下水・産業廃水の再利用などの用途への利用も進んでいる。地域的にはインドや南米の新興国での需要拡大が予想される。東レは水処理事業を重点領域に位置付け、今後も世界規模で営業を強化して受注拡大を目指す。【東レ(株)】