一般財団法人環境イノベーション情報機構
トヨタ自動車、燃料電池バスの外部電源供給システムを開発、防災訓練で電力供給
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.09.04 【情報源】企業/2012.08.31 発表
トヨタ自動車は、燃料電池バスの燃料電池で発電した電力を家電製品などに使えるようにする外部電源供給システムを開発した。愛知県豊田市で9月2日実施の総合防災訓練の非常時電源供給訓練で、同様の外部電源供給システムを搭載したプラグインハイブリッド車(PHV)とともに計2台の車両から本部テント内の情報モニター約20台に電力を供給する。燃料バス用の外部電源供給システムは、中部国際空港、東京都心〜羽田空港間、豊田市内などで運行している燃料電池と蓄電池のハイブリッドバスをベースに開発した。車内にAC100V、1.5kWの電源を出力するコンセントを2カ所設置し、最大3kWの電力を供給する。連続して3kWの電力を供給した場合、家電製品などが100時間以上、使用可能になる。
燃料電池車は、水素と酸素を化学反応させて電気エネルギーに変換する燃料電池を動力源にする。電気自動車(EV)と比べて大容量の電力を供給し、航続距離がエンジン車並みになる利点があり、今後の有力な環境車として期待されている。特に燃料電池バスは発電に必要な水素搭載量が多いため、災害時の避難所などでの移動電源車に活用できる。
トヨタは現在、燃料電池バスから建物の電気配線を通じて電力供給するV2H(ビークル・ツー・ホーム)システムの開発を進めている。水素が満充電の状態で学校体育館の約5日分の照明電力を賄える最大出力9.8kW、連続50時間の供給能力を目指す。2013年度から2014年度にかけ、災害時に避難所になる施設への電力供給を想定した実証実験を行う。【トヨタ自動車(株)】