一般財団法人環境イノベーション情報機構
凸版印刷、環境配慮型の紙製カップでアルコール飲料を入れられる新グレード開発
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.09.03 【情報源】企業/2012.08.29 発表
凸版印刷は、環境配慮型の紙製カップ「エコフラットカップ」で、アルコール飲料を入れられる新しいグレードを開発した。9月初めに本格販売を始める。温度変化によって容器内の空気の体積が収縮してカップが変形する問題をふたの工夫で解決し、高温でカップに入れた後、常温や低温で流通するアルコール飲料に適用できるようにした。エコフラットカップは、冷蔵飲料が長期保存可能な紙製カップ。2011年6月に発売し、バイオマス(生物資源)素材の紙を主体にした環境配慮型の次世代型紙容器として展開している。廃棄しやすく、リサイクルが容易なことも特長で、プラスチックカップと違って環境負荷が低いうえ、石油化学原料高騰の影響がなく、コスト面の利点もある。
今回、エコフラットカップの適用を広げてアルコール飲料に対応させた。アルコール飲料は殺菌のため高温での充てんが必要になり、その後冷却することに加え、冷やして販売される商品も多く、カップの変形が課題になっていた。新グレードは、ふたをドーム型に改良することで温度差に伴う空気の収縮をふた材が吸収し、カップの変形を抑える。
新グレードは、酒造メーカーの黄桜(京都市伏見区)の日本酒ブランド「辛口一献」と「純米辛口一献」に採用された。今後、アルコール飲料全般を対象に販売拡大を図り、2015年度に間連受注を含めて30億円の売り上げを目指す。凸版印刷は、エコフラットカップで間伐が促進され、林業の活性化や健全な森林育成につながる、と強調している。【凸版印刷(株)】