一般財団法人環境イノベーション情報機構
LIXIL、窓の開け方によって約10倍の通風量が得られる効果を実証実験住宅で実証
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.08.27 【情報源】企業/2012.08.23 発表
LIXILは、窓の開け方によって約10倍の通風量(換気量)が得られる「ウインドキャッチャー」と呼ぶ効果を実証実験住宅で実証した。夏の暑い日の帰宅直後など部屋の温度が外に比べて高い時、自然の風を活用して効率的に室内の温度を下げる住宅設計に役立つ。実証実験住宅では、東京大学生産技術研究所と共同でエネルギー管理を研究している。実験は、窓が外に開く方式で回転軸(吊元)が垂直方向の縦すべり出し窓を使い、ウインドキャッチャー効果が得られる開け方と、得られない開け方をほぼ同じ条件で比較した。得られる開け方は、外壁の一面で吊元が異なる複数の窓を開放することを指し、得られないのは吊元が同じ窓を開ける方法となる。両者とも同じ数の窓を開放して比べた。
どちらも2011年10月24日に測定したところ、1時間あたりの通風量は、効果がある方法が399.3m3だったのに対し、ない開け方は37.9m3となり、効果がある方法だと約10倍の量が得られた。LIXILはこの結果を踏まえて最適な窓サイズや配置を提案するサービスや通風建具・ドアなどの商品を開発し、自然エネルギーを利用して節電する住宅の実現を図る。
実証実験住宅は、東京都目黒区の東京大学駒場リサーチキャンパスにあり「COMMAハウス」の名。2020年に広く普及するスマートハウス(次世代型環境配慮住宅)を目指し、LIXILと同研究所が2011年8月に建てた。気密・断熱性能に優れる2階建ての建物に、風、光、熱をコントロールする開口部材や太陽光発電、太陽熱利用機器、省電力照明などを備える。【(株)LIXIL】