一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境省 平成23年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2012.08.24 【情報源】環境省/2012.08.24 発表
環境省は 平成24年8月24日、平成23年度のオゾン層の状況、オゾン層破壊物質等の大気中濃度等についての監視結果を取りまとめた「平成23年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」を公表した。公表によると、地球全体のオゾン全量は、1980年代から1990年代前半にかけて全球的に大きく減少しが、その後減少傾向が緩和し、1990年代後半からはわずかな増加傾向がみられるものの、1979年に比べて現在も少ない状態が続いている。南極オゾンホールは、1980年代から1990年代半ばにかけて急激に拡大したが、1990年代後半以降では、年々変動はあるものの、長期的な拡大傾向はみられなくなっている。しかし、現時点では、オゾンホールの規模に縮小の兆しがあるとは判断できず、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にあるとしている。また、北半球高緯度域(北緯60〜90度)のオゾン層の状況については、気象条件によるオゾン全量の年々の変動が大きいため、長期的な変化傾向は見えにくいものの、1990年代以降はそれ以前に比べ顕著に少ない年が多く、2011年春季の北半球高緯度域上空では、過去最大規模のオゾン層の破壊が観測されたことを報告している。
オゾン層破壊物質としてモントリオール議定書及びオゾン層保護法に基づき生産等規制がなされているCFC(クロロフルオロカーボン)及びHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の大気中濃度は、北半球中緯度域(北海道の観測地点)における環境省の観測結果では、CFCは緩やかな減少がみられる一方で、HCFCは急速に増加している。また、オゾン層は破壊しないものの強力な温室効果ガスであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)の大気中濃度の増加率は極めて大きくなっていることを報告している。
報告書の詳細は環境省Webサイト( http://www.env.go.jp/earth/ozone/o3_report/index.html )に掲載されている。
なお、環境省は、この報告の内容をわかりやすく解説した広報用パンフレット「オゾン層を守ろう 2011」を新たに作成し、環境省Webサイト(http://www.env.go.jp/earth/ozone/pamph/index.html)に掲載している。【環境省】