一般財団法人環境イノベーション情報機構
富士通、自社回収したCD・DVDをノートパソコンに再利用する仕組みを業界初構築
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2012.08.22 【情報源】企業/2012.08.17 発表
富士通は、自社で回収したCD・DVDを再生プラスチックとしてノートパソコンに再利用するリサイクルの仕組みをパソコン製造業界で初めて構築した。2012年夏モデルの企業向け機の本体前面の一部で適用を始めた。富士通の研究機関、富士通研究所が作成した化学物質のリスク管理データベースに基づき、再生プラスチックへの不純物の含有・混入を回避する。現在富士通は、全国5カ所のリサイクルセンターでパソコンを回収して解体・分別・リサイクルを実施しているが、回収プラスチックのパソコン本体への再利用には課題があり、困難だった。異なる種類のプラスチックは加熱・溶融しても均一に混じり合わないうえ、同じ種類でも組成の差や外観の汚れ、異物混入があり、従来製品と同じ品質にはできなかった。
今回富士通は、パソコンに添付され、一定の量が確保できるCD・DVDに着目。原料はノートパソコンの本体に適したポリカーボネートで、難燃剤などの不純物が含まれていないことから、リサイクル材料に向いていると考えた。これによって、これまでのノートパソコン製造と比べ、新たに使うプラスチックを年間約10t以上削減し、CO2排出量を約15%低減できる。
再生プラスチックで重要になる含有化学物質の安全性に関する欧州の規則への対応では、回収したCD・DVDの破材に有害物質が含まれていないかを、富士通研の化学物質のリスク管理データベースで確認する。併せてノートパソコンに必要な品質もチェックする。富士通は今後、CD・DVD以外の再生原料の多様化も推進し、さまざまな製品への適用拡大を進める。【富士通(株)】