一般財団法人環境イノベーション情報機構
ブリヂストン、天然ゴム資源の試験農場と研究施設の用地を米国アリゾナ州で取得
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2012.08.09 【情報源】企業/2012.08.02 発表
ブリヂストンは、タイヤの主原料の中で大きな比率を占めるパラゴムノキに代わる新たな天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を進めるため、試験農場と研究施設のそれぞれの用地を米国南西部のアリゾナ州で取得した。試験農場は9月までに着工し、研究施設は2013年初めまでに建設開始する予定で、2015年に天然ゴムの試験生産を始める計画になっている。試験農場の用地は、東京ドーム約24個分の面積にあたる約113.7haの広さがあり、アリゾナ州エロイに確保した。多目的オフィスや実験棟も備え、グアユールの品種改良や栽培技術の確立などを進める。研究施設の用地は同州メサに取得した。グアユールをタイヤ用の天然ゴムに加工する拠点に位置付け、研究者と技術者計32人を配置し、2014年に本格稼働を始める。
グアユールは、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木。幹の部分などに天然ゴムを含む。グアユール由来の天然ゴムも従来の天然ゴムと同様、植物が生み出す生物資源だが、グアユールは、東南アジア中心のパラゴムノキとは異なる土地で栽培され、実用化すると供給地が多様化して産出地域の集中を緩和できる。北米での地産地消も期待される。
ブリヂストンは、パラゴムノキに代わる新しい天然ゴム資源を探り、その1つとしてグアユールに着目した。1980年代から1991年にかけ、グアユールからタイヤ用ゴムを回収する米国の国家プロジェクトにかかわった経験も生かす。ブリヂストンはグアユール以外にも生物資源の研究開発を推進し、2050年までにタイヤ原料をすべて再生可能資源にする目標を掲げる。【ブリヂストン】