一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱電機、鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力を駅で利用する実証実験開始
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.08.09 【情報源】企業/2012.08.07 発表
三菱電機は、鉄道車両がブレーキをかけた際に発生する回生電力を駅で有効利用するための実証実験を始める。東京地下鉄(東京メトロ)東西線の西船橋駅(千葉県船橋市)の地下にある西船橋変電所で8月中旬から約2カ月間実施する。「駅舎補助電源装置」と呼ぶ専用製品の提供に向けて、省エネの効果や装置の機能などを検証する。車両のブレーキ時の回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を駅の電気設備に直接供給する仕組み。鉄道の架線と並行して設置されている電力線(き電線)を通して車両で発生する回生電力を駅舎補助電源装置に取り込み、駅の電気室を経由して照明や空調、エレベーターなど駅の設備に電力を供給する。
実験では、東西線車両で発生する回生電力の駅での利用状況を検証するほか、約600kWhが活用できると推定するシミュレーション結果の妥当性を確認する。約600kWhは約40kWを15時間稼働した場合の数値で、西船橋駅の消費電力(15時間分)の16%を補うことができる見通し。回生電力を交流に変換して供給する際の電力系統への影響や適合性も調べる。
三菱電機は鉄道のエネルギー管理・省エネに関して、車両、駅、車両基地、路線の4分野で展開している。今回は、路線のエネルギー管理の一環となり、鉄道車両の回生電力を駅に供給して活用できる駅舎補助電源装置の省エネへの有効性を実証する。実証実験の結果を踏まえ、駅舎補助電源装置の2013年4月からの製品提供を目指す。【三菱電機】