一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立製作所、世界初の5MW級大型ダウンウインド洋上風力発電システム開発に着手
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2012.07.17 【情報源】企業/2012.07.12 発表
日立製作所は、世界で初めてとなる5MW(5000kW)級の大型ダウンウインド洋上風力発電システムの開発に着手した。経済性の向上を狙いに高性能・高効率のシステムを目指す。実証試験を2014年度に始め、2015年度の販売開始を予定する。あわせて、低風速域に対応した2MW(2000kW)のダウンウインド陸上風力発電システムの開発も進める。ダウンウインドは、風車の羽根を風下側に配置した構造。風が吹き上げる丘陵地帯で発電量が多くなり、洋上に浮かぶ形の浮体式洋上風力発電システムでもこの特長が生かせるため、注目が集まっているという。海底に固定する着床式の洋上風力発電では、風向きに自然に対応できることから受ける風力の重みが低減でき、基礎工事のコストを抑えられる。
洋上風力発電システムの大型化のニーズが高まっていることに対応し、5MW級の洋上風力発電システムの開発を決めた。システム全体を軽量化するなど、新技術を投入して経済性に優れるシステムを構築する。日立はこれまで、2MWのダウンウインド風力発電システムを約70基受注した実績があり、今後、2015年度の国内トップシェアを目標に活動を進める。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が7月に始まり、風力発電システムの導入加速も見込まれる。特に、環境への影響が陸上より少ない洋上風力発電は浮体式、着床式とも拡大が期待される。日立は、富士重工業からの風力発電システム事業の譲渡が7月に完了し、「HWT(ヒタチ・ウインド・タービン)シリーズ」の製品名で開発・製造を開始した。【(株)日立製作所】