一般財団法人環境イノベーション情報機構
高濃度アルコール含有燃料に自動車のアルミ部品を腐食する危険性
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2002.04.26 【情報源】経済産業省/2002.04.25 発表
経済産業省と国土交通省は、「高濃度アルコール含有燃料は自動車のアルミニウム部品を腐食させる可能性を否定できない」と自動車ユーザーに注意を呼びかける情報をホームページに掲載した。この情報は平成14年4月24日の「高濃度アルコール含有燃料に関する安全性等調査委員会」に提出された、高濃度アルコール含有燃料についての第1次安全性評価結果に基づくもの。
現在販売されている高濃度アルコール含有燃料の中にはエタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノールなど5種類のアルコール成分が含まれているが、これらの成分について腐食性試験を実施したところ、すべての成分にアルミニウムを腐食させる性質があることが確認されたという。
一方、高濃度アルコール含有燃料製造事業者に製品の品質管理や安全性についての説明を求めたところ、製造業者による製品試験の条件が自動車の使用実態に即していないことが判明。安全性が十分に立証されていないと問題視している。
なお、高濃度アルコール含有燃料は「環境にやさしい」と謳われている場合が多いが、ガソリン車に使用した場合、一酸化炭素や炭化水素は減るものの、窒素酸化物は逆に増大することが環境省による調査でも確認されている。更に今回の調査対象製品のようにバイオマス由来のアルコールでない場合は温室効果ガス抑制効果も薄く、安全性評価でも「環境によいとはいえない」と指摘されている。
【経済産業省】