一般財団法人環境イノベーション情報機構
日産自動車、EV「リーフ」のバッテリーから住宅に電力を供給するシステムを販売
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.06.01 【情報源】企業/2012.05.30 発表
日産自動車は、電気自動車(EV)「リーフ」の駆動用バッテリーから一般の住宅に電力を供給するシステム「LEAF to Home(リーフ・トゥー・ホーム)」の販売を6月中旬に始める。ニチコンが開発した給電と充電ができる装置「EVパワーステーション」を利用する。EVのバッテリーにためた電気を一般住宅に供給するシステムは世界で初めてという。EVパワーステーションを住宅の分電盤に接続し、コネクターをリーフの急速充電ポートにつなぐ仕組み。EVパワーステーションは、幅65cm、奥行き35cm、高さ78.1cmとエアコンの室外機ほどの大きさで、重さは約60kg。屋外に設置できる。タイマー予約など各種モードを搭載し、家庭の電力容量と消費電力に応じて自動的に供給を調整する。液晶タッチパネルで操作する。
リーフの駆動用バッテリーは24kWhと大きな容量があり、満充電の状態だと一般家庭が日常で使用する電力の2日分を賄うことができる。太陽光で発電した電気や料金の安い夜間電力でリーフを充電し、蓄えた電気を昼間の時間帯に使用することで、電力消費のピークシフトや電気料金の節減が可能になる。停電時や災害など非常時のバックアップ電源としても活用できる。
システムは住宅への電力供給に加え、普通充電の約半分となる最短4時間でリーフを満充電にできる。価格は、経済産業省の充電器などへの補助金制度が適用されると、標準工事費用を含み33万円程度。日産の自動車販売店で購入申し込みを受け付け、初年度に1万台の販売を目指す。日産は、販売会社のショールームに順次設置してリーフによる効率的な電力管理を進める。【日産自動車(株)】