一般財団法人環境イノベーション情報機構
ホンダ、家庭のエネルギー需給をコントロールするシステムの実証実験ハウス完成
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.04.25 【情報源】企業/2012.04.23 発表
ホンダは、家庭のエネルギー需給をコントロールするシステムを導入した実証実験ハウスをさいたま市に作り、完成した。プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)、電動バイクなど電動移動手段を活用しながら家庭でエネルギーを創って消費するとともに、停電や災害時に自宅分のエネルギーを確保するシステムを2018年まで研究する。実証実験ハウスは、さいたま市が進める省エネプロジェクトの一環となり、埼玉大学(桜区)隣接地に2棟建設した。薄膜太陽電池パネル、蓄電池、ガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)などの設備に加え、PHV・EVを含むエネルギー使用状況や充電状態を制御して「見える化」する独自のホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)を装備する。
2000年に比べCO2排出量の50%削減を目標にすると同時に、将来の個人の移動手段のあり方や、家庭用エネルギーのバックアップ機能を検証する。HEMSは、エネルギー機器の作動状況やガス・電気料金の最新の状態をモニターで確認でき、PHV・EVのナビゲーションシステムやスマートフォン(多機能携帯電話)からリモコン操作も可能になっている。
停電や災害時にガスコージェネレーションをバッテリーから自動起動して自宅分のエネルギーを確保する研究も手掛ける。今後さらに3棟目を建設し、今回建てた2棟と電力を融通し合うスマートコミュニティー(環境配慮型地域)の実証に発展させる。ホンダは実証実験での検証結果を基に、家庭やコミュニティーで完結する総合的なエネルギー管理を目指す。【本田技研工業(株)】