一般財団法人環境イノベーション情報機構
住友電気工業、集光型太陽光発電と新型電池の大規模蓄発電システムを実証運転
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2012.04.20 【情報源】企業/2012.04.17 発表
住友電気工業は、発電効率が高い集光型の太陽光発電装置と、「レドックスフロー電池」と呼ぶ長寿命の新型蓄電池を組み合わせた大規模な蓄発電システムを開発した。横浜製作所(横浜市栄区)で設備の建設を始め、7月に実証運転を始める。再生可能エネルギーの積極利用や省エネへのニーズの高まりを受け、実証を通じて機器・システム開発、製品化につなげる。集光型の太陽光発電装置は、レンズで集めた太陽光を発電素子にあてて発電する仕組みで、面積の小さな発電素子で発電できる。市販されているシリコンパネルの太陽電池と比べ、発電効率は約2倍になるという。地面から高い位置に光を集めるパネルを設置する構造のため、パネル下のスペースの活用も可能になる。実証設備には計28基、最大発電量200kWの装置を導入する。
レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応で充放電する蓄電池。頻繁に充放電を繰り返しても電極や電解液がほとんど劣化しないため寿命が長く、正極と負極の電解液が同じ物質でメンテナンスが容易なことが特長となる。発火性のある材料を使わないうえ常温で運転でき、安全性も高い。実証運転では容量5000kWh(1000kW×5時間)のレドックスフロー電池を使用する。
集光型の太陽光発電装置とレドックスフロー電池は電力系統とも連系し、エネルギー管理システム(EMS)で制御する。実証運転によって、EMSでレドックスフロー電池の充放電を制御して受電量を一定にすることや、不安定な太陽光の発電量をレドックスフロー電池で補う計画運用などについて検証する。併せて、横浜製作所における最大1000kWのピークカット運用なども実証する。【住友電気工業(株)】