一般財団法人環境イノベーション情報機構
中部電力、下水汚泥でバイオマス燃料を製造して火力発電所で利用する事業を開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2012.04.05 【情報源】企業/2012.04.02 発表
中部電力は、従来、焼却処分されていた下水汚泥を炭化処理してバイオマス(生物資源)燃料を製造し、碧南火力発電所(愛知県碧南市)で利用する事業を始めた。中部地方で初めてとなる。愛知県が衣浦東部浄化センター(碧南市)内に建設していた燃料化施設が完成した。下水汚泥の資源化促進と同時に温室効果ガス削減が狙いで、年間8000tのCO2排出削減量を見込む。中電が水処理事業のメタウォーター(東京都港区)と共同で設立した特別目的会社、愛知衣浦バイオが、燃料化施設の運転・維持管理と、製造した下水汚泥炭化燃料の買い取り・販売を行う。燃料化施設は愛知県の設備のため、下水汚泥炭化燃料も県の所有となり、買い取りが必要。下水汚泥炭化燃料の全量を碧南火力発電所が受け入れ、木質バイオマスや石炭と混ぜて燃焼する。
燃料化施設では1日あたり100tの下水汚泥を処理して約8tの燃料を製造。年間では3万3000tの下水汚泥から約2700tの燃料をつくる。3万3000tの下水汚泥は、2010年度の愛知県の流域下水道での汚泥発生量の5分の1に相当する。下水汚泥炭化燃料による発電量は、標準家庭1270世帯分の年間使用電力量にあたる年間460万kWhを想定している。CO2削減量は浄化センターと発電所が各4000tとなる。
愛知衣浦バイオは2012年4月〜2032年3月の20年間、施設の運転・維持管理と燃料の買い取り・販売を実施し、20年間での下水汚泥の処理量は66万t、下水汚泥炭化燃料の製造量は約5万4000tに及ぶ。燃料化施設の設計・施工は、メタウォーターが2009年12月から手掛けた。中電は温室効果ガスの削減を目的に、今後も再生可能エネルギーの導入拡大を推進する。【中部電力(株)】