一般財団法人環境イノベーション情報機構
被災地における第2次土壌環境モニタリング調査 一部結果を公表
【水・土壌環境 地下水/土壌汚染】 【掲載日】2012.02.20 【情報源】環境省/2012.02.17 発表
環境省は、東日本大震災の被災地における第2次土壌環境モニタリング調査について、平成24年2月17日までにまとめた調査項目の一部について公表した。今回公表したのは、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県において、東日本大震災に伴う津波に被災した地域など175地点で平成23年12月27日〜平成24年1月17日に採取した試料の分析結果。
公表によると、青森県内全16地点では、水銀について1地点(測定値0.0006mg/L(基準値0.0005mg/L))、鉛について3地点(測定値0.014〜0.30mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について1地点(測定値0.012mg/L(基準値0.01mg/L))、ふっ素について2地点(測定値0.82〜1.2mg/L(基準値0.8mg/L))で土壌溶出量基準値※1を上回る値を確認した。また、鉛については、土壌溶出量基準を上回った3地点のうち1地点で、土壌含有量基準※2を上回る値を確認した(測定値1,100mg/kg(基準値150mg/kg))。
岩手県内全34地点では、ふっ素について5地点(測定値1.1〜2.6mg/L(基準値0.8mg/L))で土壌溶出量基準値を上回る値を確認した。
宮城県内全72地点では、鉛について16地点(測定値0.011〜0.04mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について25地点(測定値0.011〜0.15mg/L(基準値0.01mg/L))で土壌溶出量基準値を上回る値を確認した。
福島県内全31地点では、鉛について2地点(測定値0.012〜0.043mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について3地点(測定値0.011〜0.022mg/L(基準値0.01mg/L))、ふっ素について1地点(測定値1.3mg/L(基準値0.8mg/L))で土壌溶出量基準値※1を上回る値を確認した。また、鉛については、土壌溶出量基準を上回った2地点のうち1地点で、土壌含有量基準※2を上回る値を確認した(測定値190mg/kg(基準値150mg/kg))。
千葉県内全11地点では、鉛について3地点(測定値0.011〜0.013mg/L(基準値0.01mg/L))で土壌溶出量基準値を上回る値を確認した。
なお、茨城県内全11地点では、土壌溶出量基準及び土壌含有量基準ともに上回る値は無かった。
環境省では、各県等に測定結果を提供するとともに、土壌溶出量基準を上回った地点については、近隣における飲用井戸の有無を調査を行い、飲用井戸が確認された地点については、関係自治体において井戸の所有者に対し飲用指導等を実施。当該井戸については、関係自治体と協力し、必要に応じて地下水の水質を調査する予定。
土壌含有量基準を上回った地点については、土地の利用状況を調査し、人の立入りが制限されていることを確認した。
今後、土壌溶出量基準又は土壌含有量基準を上回った原因等を把握するために追加調査を行い、対応を検討していくとしている。
※1 地下水が汚染されその地下水を飲用する地下水経由の摂取を想定した場合の基準
※2 手についた汚染土壌や砂ぼこりが口から入るような直接摂取を想定した場合の基準
【環境省】