一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝など、海流発電の実用化に向けシステム開発に着手
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2011.12.01 【情報源】企業/2011.11.29 発表
東芝は、海流のエネルギーを活用した海流発電の実用化に向け、システム開発に着手した。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募にIHI、東京大学、三井物産戦略研究所と連名で応募し、「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に選ばれた。日本の沿岸を流れる黒潮などの安定した流れを発電に使う。海流のエネルギーを経済的に有効利用するため、発電機を固定しないで水中に浮遊させる水中浮体方式と呼ぶ海流発電システムを開発する。併せて、事業性評価を実施し、将来の海流発電の実用化を目指す。年間を通して海流が沿岸を流れる日本で海流の大きなエネルギーを活用し、自然エネルギーによる安定した電源を確保することが狙いとなる。
海流は、時間帯や季節に伴う速さや向きの変動が少なく、安定した海洋エネルギーとして長期間、連続して利用可能。年間を通して発電できるうえ、大きな発電電力量が期待される。水中浮体方式は、海底から発電装置をつないで海中に浮遊させる仕組みで、波浪の影響を受けることなく安定した深さで運用でき、船舶の航行に影響を与えない利点がある。
水中タービンには、海中で姿勢を保って効率的に発電できる双発式を採用する。保守・整備の際は、必要に応じてタービンの向きと浮力を調節して海上に浮上させることができ、修理や点検が容易なことも特長。東芝などは、太陽光、風力と異なり、安定した電力が得られる海流発電システムの研究・開発を進め、再生可能エネルギーの拡大を図る。【(株)東芝】