水産庁　太平洋クロマグロの仔稚魚分布調査実施結果を公表

【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2011.11.02 【情報源】水産庁／2011.11.01 発表

　水産庁は、関係機関と協力して、平成23年5月から10月まで実施していた太平洋クロマグロの仔稚魚分布調査結果を公表した。
　今回の調査では、クロマグロの産卵場の推定及び初期生態の解明を目的に、クロマグロの主要な産卵場の1つである日本海で、クロマグロの仔稚魚の採集と水温・海流等の調査を実施。
　その結果、仔魚（※1）採集調査では、マグロ属仔魚535尾（うち太平洋クロマグロ仔魚101尾）を採集した。これらの仔魚は、宮古島から沖縄本島にかけての海域で多数採集したほか、日本海の隠岐から能登半島にかけた海域でも採集した。
　また、稚魚（※2）分布調査では、南西諸島北部の海域で合計113尾の稚魚を採集した。これまで黒潮流軸付近では採集できなかった、漁獲対象となる直前の稚魚（体長10〜14cm）を、南西諸島沖で初めて採集した。
　なお、これらの稚魚は、奄美大島北西〜屋久島周辺の黒潮流軸付近に高密度分布していた。
　水産庁では、これらの成果は、太平洋クロマグロの産卵場の把握により資源の管理手法の開発及び資源の動向をできるだけ早期に把握する手法の開発に役立て、太平洋クロマグロ資源の持続的利用のための管理方策の策定に活用していくとしている。

※1：孵化後20日未満、体長1cm未満の個体。
※2：孵化後20日から1〜2ヵ月頃、体長1〜15cm程度の個体。

【水産庁】