一般財団法人環境イノベーション情報機構
中部電力、今冬の需給見通しで供給予備率が7%と適正を下回り節電協力を要請
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2011.10.06 【情報源】企業/2011.10.04 発表
中部電力は、今冬(12月〜2012年2月)の電力需給見通しで、需要に対する供給余力を示す供給予備率が7%前後となり、適正水準の8〜10%を下回ることから、家庭や企業に対し、今夏に続いて節電への協力を要請する。自動車業界をはじめ製造業が操業日をシフトした今夏のような本格的な対応ではなく、生活や生産活動に支障のない範囲で節電を呼び掛ける。今冬の最大電力は、節電意識の高まりに伴う需要抑制がある半面、産業用を中心に需要増が予想され、2012年1、2月には2011年度の当初計画と同じ2319万kWを見込んでいる。供給力は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)=出力361.7万kW=が前首相の要請で5月から全面停止している影響で大きく低下し、対策を講じないと供給予備率は最悪で3.3%まで下がる状況になっていた。
そのため、火力発電所の定期点検の期間短縮や工期の変更、水力発電所の補修工程の見直しなどの対策を講じ、2月に最大2487万kWを確保。供給予備率は12月に7.8%、1月は6.9%、2月は7.2%に向上する。しかし適正水準には届かないうえ、冬は暖房や照明の使用が長時間になることで供給余力が少ない時間帯が夏より長く、火力発電所の稼働率が高くなり、トラブルの危険も大きくなる。
こうしたことから、今冬も節電を求める。夏に実施した「でんき予報」のような毎日の電力需給状況や、暖房の低めの温度設定、こまめな消灯といった具体的な節電対策の情報をウェブサイトなどで提供する。一方、今夏の最大電力は2502万kWと前年実績の2698万kWを下回った。節電効果は100万kW程度、自動車業界などの操業シフトの効果は260万kWだった。【中部電力(株)】