一般財団法人環境イノベーション情報機構
東日本大震災被災地の海洋環境のモニタリング調査結果 まとまる
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2011.10.03 【情報源】環境省/2011.09.30 発表
環境省は、平成23年9月30日 東日本大震災を受けて6月3日〜20日に被災地の海洋環境について緊急的に実施した有害物質等の第1次モニタリング調査の分析結果を公表した。公表によると、化学物質調査では、環境基準が設定されている項目(生活環境項目、健康項目及びダイオキシン類)はいずれも問題となる値は検出されなかった。PCB、ダイオキシン類及び油分については、震災による影響は今のところみられなかった。一方、PBDE(臭素系難燃剤)については震災に伴い負荷が増大した可能性があり、一部の測点において他よりも相対的に高い値が検出されました。
海底ごみ調査では、三陸海域では沿岸に近い海域にやや多く分布する傾向がみられ、仙台湾では比較的沖合まで広がって分布する傾向がみられた。一部の海域では陸域起源と思われるごみが発見されたが、調査対象とした離岸1〜20kmの海域においては全体的なごみの密度は比較的小さく、至るところに大型のごみがある状態ではないことが明らかとなった。この結果は、震災で発生したがれきの性状から推測される状況と一致していた。
環境省では、海域に流出し沈積した家屋やがれき等から時間が経つにつれて有害物質が海水や堆積物中に溶出する可能性や、陸域での廃棄物処理に伴い今後有害物質が発生し海域を汚染する可能性もあることから、今後も引き続き、これらの状況について監視を続けていくとしている。【環境省】