日産自動車、EV「リーフ」の駆動用電池から一般住宅への電力供給システム公開

【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2011.08.03 【情報源】企業／2011.08.02 発表

　日産自動車は、電気自動車（EV）「リーフ」の駆動用に使うリチウムイオン電池から一般住宅への電力供給システムを、グローバル本社前（横浜市西区）に建設された実証実験住宅で公開した。システムの開発や、電力会社が供給する系統電力との連携方法などを早い段階で検討し、関心のあるパートナー企業とともに2011年度中の販売を目指す。

　リーフの急速充電ポートにつないだコネクターを住宅の分電盤に接続し、リーフに搭載している駆動用大容量リチウムイオン電池にためた電気を住宅に供給できるようにする。システム機器の操作パネルに電池の残量、出力電圧・電流を表示する。コネクターは、日産をはじめ日本の自動車各社が採用している急速充電の共通規格「チャデモ」を採用した。

　リーフの駆動用リチウムイオン電池は24kWhの蓄電能力があり、一般家庭で日常的に使う電気の約2日分を賄うことが可能になる。電力が不足する時間帯や停電が起きた時のためにリチウムイオン電池を充電して電気をためておくと、リーフの駆動用電池を家庭用の蓄電池として利用できる。

　太陽光発電システムなど再生可能エネルギーで発電した電力や、割安な夜間電力で蓄えた電気を電力需要が大きい日中に使うことで、家庭に電力を安定供給し、ピークカットの効果も見込める。システムは電力供給と充電の両方が可能で、操作パネルで切り替える。既存のリーフユーザーも使用でき、日産はシステムの販売を急ぐ。【日産自動車】