環境省　微量PCB混入廃棄物の焼却実証試験（平成22年11月〜23年1月実施分）の実施結果を公表

【ごみ･リサイクル ごみ処理】 【掲載日】2011.05.11 【情報源】環境省／2011.05.10 発表

　環境省は、平成22年11月〜23年1月に、千葉県市原市の杉田建材株式会社、兵庫県神戸市の神戸環境クリエート株式会社、福島県いわき市の株式会社クレハ環境及び富山県富山市の株式会社富山環境整備で実施した、微量のPCBを含む廃棄物の焼却実証試験の結果を平成23年5月10日に公表した。
　PCBを使用していないトランス（変圧器）などの中に、実際には微量のPCBが混入した絶縁油が含むものが大量に存在することが判明しており、これらの処理体制の整備が課題となっていることから、今回の試験は、微量のPCBを含む廃棄物の処理体制の整備に向け、既存の産業廃棄物処理施設において微量のPCBを含む廃棄物が安全かつ確実に処理できることの確認を目的としている。

　杉田建材株式会社では、排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、関係法令に定める基準値等よりも低いことを確認した。また、試験試料を投入せずに施設を運転した場合（通常運転時）と、試験試料を投入して施設を運転した場合（本試験時）において顕著な差がなかったことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類濃度への影響はないことを確認した。
　施設の敷地境界における大気中のPCB濃度並びに施設周辺における大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。

　神戸環境クリエート株式会社では、焼却処理後の焼却炉の燃え殻に含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値よりも低いことを確認した。
　排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、本試験時にダイオキシン類の濃度が基準値を上回ったが、それ以外は基準値等よりも低いことを確認した。
　施設の敷地境界における大気中のPCB濃度並びに施設周辺における大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。

　株式会社クレハ環境では、焼却処理後の焼却炉の燃え殻に含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値よりも低いことを確認した。
　排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。また、通常運転時と本試験時において顕著な差がなかったことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度への影響はないことを確認した。
　施設の敷地境界における大気中のPCB濃度並びに施設周辺における大気中のPCB及びダイオキシン類濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。

　株式会社富山環境整備では、焼却処理後の焼却炉の燃え殻に含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値よりも低いことを確認した。
　固定床炉での変圧器の加熱処理後の残渣物に含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値等よりも低いことを確認した。
　排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。また、通常運転時と本試験時において顕著な差がなかったことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度への影響はないことを確認した。
　施設の敷地境界における大気中のPCB濃度並びに施設周辺における大気中のPCB及びダイオキシン類濃度については、基準値等よりも低いことを確認した。

　今後は、これまでの実証試験で得られた知見を踏まえ、協力が得られる施設において、実証試験を継続的に実施していく予定。また、試験対象としては、微量PCBを含む廃棄物のうちOFケーブル、廃活性炭（熱しゃく減量の観点から炉での焼却条件について検討を行う予定）や、PCB処理物を中心に行い、微量のPCBを含む廃棄物に係る安全かつ確実な処理方策の検討に活用していく予定。【環境省】