アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施　医療費適用対象累計 3,197件に

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2010.12.16 【情報源】環境省／2010.12.16 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構に申し出のあった、医療費等の申請98件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求19件（注2）に対して、認定疾病（中皮種及び肺がん）に関する医学的判定を平成22年12月16日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、95件中57件（中皮種49件、肺がん8件）が「認定疾病と判定」、4件（中皮種2件、肺がん2件）が「認定疾病でないと判定」、 34件（中皮種24件、肺がん10件）が「判定保留」。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、3件中1件（石綿肺）が「認定疾病と判定」、2件（全て石綿肺）が「判定保留」。『施行前死亡者に係るもの』に関しては、1件の申請があり、「認定疾病でないと判定」であった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求では、『施行前死亡者に係るもの』のうち中皮腫・肺がんに関しては、6件中3件（全て肺がん）が「認定疾病でないと判断」、3件（全て肺がん）が「判定保留」。『未申請死亡者に係るもの』に関しては、12件中4件（中皮種1件、肺がん3件）が「認定疾病と判定」、2件（中皮種1件、肺がん1件）が「認定疾病でないと判定」、6件（中皮種4件、肺がん2件）が「判定保留」となった。
　これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は3,197件（中皮腫2,575件、肺がん622件）石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては3件（石綿肺1件、びまん性胸膜肥厚2件）、『施工前死亡者に係るもの』が2件（石綿肺1件、びまん性胸膜肥厚1件）特別遺族弔慰金等の適用対象とする判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が139件（中皮腫5件、肺がん134件）、『未申請死亡者に係るもの』は213件（中皮腫167件、肺がん46件）となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち21件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち7件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】