2010年農林水産研究成果10大トピックスを選定

【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2010.12.16 【情報源】農林水産省／2010.12.16 発表

　農林水産技術会議は、2010年農林水産研究成果10大トピックスを選定し公表した。
　この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び独立行政法人研究機関の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を、農業技術クラブ（農業関係専門紙・誌など29社加盟）の協力を得て選定したもの。
　10課題のうち、環境関連のトピックスとしては、「土壌洗浄法によるカドミウム汚染水田の実用的浄化技術を確立 ―低コストで水田土壌のカドミウムを除去―」と「「砂糖・エタノール複合生産プロセス」を開発！ −実験プラントでの実証に成功し、実用レベルでの検証へ−」がそれぞれ9位と10位にランクインしている。
　このうち、「土壌洗浄法によるカドミウム汚染水田の実用的浄化技術を確立 ―低コストで水田土壌のカドミウムを除去―」は、農業環境技術研究所が長野県農業試験場などと共同で開発した技術で、汚染水田に水と塩化鉄を入れて土壌を酸性にして、カドミウムを溶出させ、汚染排水を処理することで除去するという技術。これにより、栽培米に含まれるカドミウム濃度は、無処理の場合と比較して、70〜90％程度低下させるという技術。
　また、「「砂糖・エタノール複合生産プロセス」を開発！ −実験プラントでの実証に成功し、実用レベルでの検証へ−」は、アサヒビール（株）と農研機構九州沖縄農業研究センターが共同で開発した技術で、製糖用従来品種に比べてバイオマス生産量が50％高く、糖収量が30％多いサトウキビの新品種を育成し、バイオエタノールを大量に生産できるシステム。この技術は、南西諸島におけるサトウキビ産業の活性化や地球温暖化ガスの削減効果が期待されている。【農林水産省】