一般財団法人環境イノベーション情報機構
NEC、EV向け充電インフラを広域展開できるクラウド型充電システムを開発
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2010.11.11 【情報源】企業/2010.11.11 発表
NECは、電気自動車(EV)向けに急速充電器とクラウドサービスを統合した充電システムを開発した。EV利用者用にさまざまな認証課金サービスを導入し、インフラ事業者は広域で、効率的な運用保守ができるようになる。急速充電器の使用電力を制御することもできる。クラウドは、ソフトウエアやサービスをネットワークから必要に応じて利用する形態を指す。開発したシステムは、急速充電器をネットワークでつなぎ、充電インフラに関する各種のサービスをクラウドから提供する仕組みになっている。
非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」に対応したマルチサービスのリーダー・ライター(読み出し・書き込み器)を急速充電器に搭載し、NECのクラウド型電子マネー基盤を活用する。利用者に会員認証サービスや電子マネーによる決済機能が提供でき、事業者側が料金メニューを設定する機能もある。
事業者は、クラウドとの連携で急速充電器の操作状況や障害情報を収集・管理し、充電器のソフト更新もネットワーク経由で可能。コールセンターやサポートセンターから利用者の急速充電器操作の支援や障害対応、急速充電器の機能拡張が遠隔で行えるため、急速充電器のさまざまな環境への導入が容易になる。
システムには、急速充電器が使う電力をネットワークを介して制御する機能も搭載した。設置店舗の電力管理システムと連携させ、契約した電力を超えない範囲で充電器を運用するなど柔軟にエネルギー管理できる。NECは、急速充電器とクラウド間の通信規格の標準化を目指し、パートナー企業との実証試験を進める。