一般財団法人環境イノベーション情報機構
キリン、「グループ生物多様性保全宣言」を策定、活動を強化
【環境一般 CSR】 【掲載日】2010.10.08 【情報源】企業/2010.10.06 発表
キリンホールディングスは、生物多様性の持続可能な利用と保全に向けて「キリングループ生物多様性保全宣言」を策定した。取り組みの方針を定めることで保全の重要性を再確認すると同時に、生物多様性に配慮した事業活動を強化する。自然の恵みを原料に事業を展開している企業として生物多様性保全を重要な経営課題ととらえ、宣言を掲げた。グループ生物多様性保全宣言は、生物多様性に配慮した資源利用の推進のほか、グループの持つ技術の活用、ステークホルダー(利害関係者)との連携、条約や法令への適切な対応――の4項目。持続的に自然の恵みが受けられるよう、事業活動全体で生物多様性に配慮した資源の利用を進める方針や、事業活動を通じて保有する技術を応用して生物多様性の持続可能な利用と保全に貢献する姿勢などを挙げた。
キリングループはこれまでも、事業活動での生物資源の適切な活用や、農地再生などによる持続可能な農業への支援、湿原での生態系保存などの取り組みを実施。一部の工場では生物生息空間(ビオトープ)を設置して生息地を保全し、公開している。今後は宣言に基づいてこれらの活動を継続するとともに、グループの活動に生物多様性の視点を加える。
キリングループは「低炭素企業グループの実現」を重点テーマにし、2009年8月には国内の製造、物流、オフィスで2015年のCO2排出量を1990年比で35%削減するなど、CO2排出量削減の中長期目標を設定。環境に配慮した事業活動を進めている。最近、生物多様性の保全が社会的な課題になっていることから今回、保全へのスタンスを明確にするため、宣言を策定した。