一般財団法人環境イノベーション情報機構
中部電力、木質バイオマスと石炭の混焼発電を本格運用
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2010.09.22 【情報源】企業/2010.09.17 発表
中部電力は、碧南火力発電所(愛知県碧南市)で実施してきた木質バイオマス(生物資源)燃料と石炭による混焼発電の実証試験を終えた。今後は本格運用を始める。年間30万tのバイオマスを使う予定で、石炭の使用量に対し3%の木質バイオマスを使う計算になる。石炭の使用量を減らせるため、年間20 万〜30万tのCO2削減が見込まれる。木質バイオマス混焼発電は、木材チップを石炭と混ぜて細かく粉砕し、燃料に利用して発電する方式。同発電所ではCO2排出削減を目的に、2009年5月から1〜5号機の各設備で実証試験を行ってきた。今回、1号機での試験ですべての発電機での実証試験を終え、本格運用に入ることにした。
同発電所は名古屋市の南約40kmで、衣浦湾に面している。発電所用地約160万m2に出力70万kWの発電機3機(1〜3号機)と、100万kWの発電機2機(4、5機)を備える。1991年10月に1号機が運転を始め、2002年11月に5号機が完成。1〜5号機を合わせ出力410万kWの国内最大、世界でも最大級の火力発電所となった。年間想定発電量は2億〜3億kWh。
中電は、2003年施行の「電気事業者による新エネルギーなどの利用に関する特別措置法」(RPS法)で電気事業者が環境負荷の低い新エネルギー利用が義務付けられたことを受け、同発電所で木質バイオマス混焼発電を導入。実証試験を経て、本格運用できると判断した。