一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境省等 HBCD(1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン)の鳥類への有害性調査を指示へ
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2010.09.22 【情報源】環境省/2010.09.21 発表
環境省は、樹脂用難燃剤、繊維用難燃剤として使用されている1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン(別名HBCD)について平成22年9月3日及び17日に開催された審議会で審議した結果、鳥類の繁殖に及ぼす影響について有害性調査指示を行うことが適当との結論が得られと発表。HBCDについては、難分解性かつ高蓄積性であり、毒性が不明であったことから、化学物質審査規制法に基づき、平成16年9月22日に第一種監視化学物質※に指定され、高次捕食動物に対する長期毒性のうち、鳥類に対する長期毒性について、環境省が行ったHBCDの予備的な毒性評価の結果、HBCDによる環境の汚染が生ずるおそれを指摘していた。
今後、9月中を目途に化学物質審査規制法に基づき、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣がHBCDの製造又は輸入の事業を営む者に対し、有害性調査を行い、その結果を報告すべきことを指示するとしている。
なお、HBCDの人に対する長期毒性に関しては、齧歯類を用いた二世代繁殖試験を厚生労働省が実施し、その結果をもとに、平成20年12月19日に開催された化学物質審議会審査部会において、「現時点で収集された情報からは、第一種特定化学物質に該当するとは判断されない。」との判定を受けている。
※化学物質審査規制法では、ある特定の第一種監視化学物質について、[1]人又は高次捕食動物に対する長期毒性があると疑うに足りる理由があり、[2]当該物質が第一種特定化学物質であれば当該物質による環境の汚染が生ずるおそれがあると見込まれる場合には、当該物質の製造・輸入事業者に対し、有害性の調査を行うべきことを指示することができるとしている。
【環境省】【厚生労働省】【経済産業省】