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環境ニュース[国内]

トヨタ、パナ電工、日立などスマートグリッド実証を開始

エコビジネス】 【掲載日】2010.09.17 【情報源】企業/2010.09.17 発表

 トヨタ自動車、パナソニック電工、日立製作所、風力発電事業の日本風力開発(東京都港区)は、青森県六ヶ所村で風力発電を使ったスマートグリッド(次世代送電網)の実証実験を9月16日から始める。日本風力開発の既設の風力発電所設備を活用して系統電力から独立したCO2排出ゼロの独自電力網(クローズドグリッド)を構築。地域全体でエネルギーを管理し、エネルギー効率の最適化を実証する。

 実験では、世界で初めて大規模蓄電池を併設した六ヶ所村二又風力発電所(発電容量51MW)に、新たに100kWの太陽光発電設備と、グリッド内の電力需要量を調節する地域用蓄電池のハブ(HUB)蓄電池を設置。隣接する施設にコントロールセンターを新設し、電力需給を制御するシステムを導入する。さらに、同村の分譲地「尾駮(おぶち)レイクタウン北地区」にIT(情報技術)で家庭の消費電力を制御するスマートハウスの実証棟6棟を建て、実際の生活環境を作る。

 スマートハウスに装備するのは、発電状況や居住者の電力使用、行動パターンに基づいて電力を制御する「ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)」のほか、太陽光発電装置、家庭用蓄電池、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)用充電設備、スマートメーター(次世代電力メーター)、各種家電製品、エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)――などだ。エネルギーの使用状況をネットワーク経由でコントロールセンターに集約し、電力需給を調整する。

 トヨタは、スマートハウスやPHVの運行管理システム、電力消費、蓄電計画を作成・制御するシステムを実証。パナソニック電工は、HEMSを使って電力供給側のニーズと電力需要側の快適さを両立させる調査を実施。日立は、太陽光発電設備と蓄電装置の導入によって自然エネルギーを最大限活用する蓄エネルギー制御と負荷制御技術を検証する。

 実証実験は、従来、発電側だけで調整している電力供給を需要側と連動させ、エネルギー利用の効率化を図ることが特長。クローズドグリッドを構築することで、国、地域やさまざまな電力事情などを想定した環境で実験できるようになる。実証期間は2012年7月まで予定。各社は、国内外での早期の事業化を目指す。

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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