一般財団法人環境イノベーション情報機構
大阪ガス、トヨタなど、家庭用SOFCコージェネシステムの2010年度型を開発・実証
エコビジネス】 【掲載日】2010.09.10 【情報源】企業/2010.09.07 発表
大阪ガスは、京セラ、トヨタ自動車、アイシン精機と共同で、家庭用固体酸化物型燃料電池(SOFC)コージェネレーションシステムの2010年度型を開発し、実証実験を始める。従来型に排熱の利用度を上げるなどの改良を加え、省エネ・CO2削減効果を高めた。需要量にかかわらず高い発電効率を維持する。商品性を上げるために耐久性も向上させた。家庭用SOFCの実用化に向け、2010年代前半の開発完了を目指す。この実証実験は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による2010年度の「固体酸化物形燃料電池実証研究」として実施。大阪ガスは、同社の供給エリア内の戸建て住宅に、41台の家庭用SOFCを設置し、実証実験する。トヨタおよびアイシンは、「システム供給者(製造事業者)」として、60台程度を提供する予定。このNEDOの実証研究には、大阪ガス、北海道ガス、東京ガス、東邦ガス、西部ガスの5社が参画している。
家庭用SOFCは、定格発電効率が45%以上で、コージェネシステムのなかでも発電効率が高く、熱需要が比較的少ない住宅でも経済性を発揮できる。また、発電ユニットが小型で、排熱利用給湯暖房ユニットもコンパクトに設計できる。
実証実験を始める2010年度型機は、発電ユニットの断熱性を高めることなどにより、電気需要の大小に関係なく高い発電効率を維持できるようにした。さらに、電池の劣化を防ぐ脱硫剤を増量し、耐久性も向上させた。排熱利用給湯暖房ユニット部分では、貯湯タンクの容量増加などでエネルギー効率をアップ。これらの改良でCO2排出量とランニングコストを一層削減する。
大阪ガスは、家庭用SOFCの市場導入を目的に、2004年に京セラ、2009年3月にトヨタ、アイシンを含めた4社で共同開発をスタート。排熱利用給湯暖房ユニットは2006年から長府製作所と開発している。各社で共同製作した2009年度型機を使い、2009年12月から実証実験を展開。今回、改良を加えた2010年度型機を実証し、システムの信頼性や耐久性を検証しながら、機器のコストダウンも図っていく。