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環境ニュース[国内]

NEC、植物成分率と耐久性高めたバイオプラ、非食用原料で

エコビジネス】 【掲載日】2010.08.27 【情報源】企業/2010.08.25 発表

 NECは、70%以上の高い植物成分率と電子機器に必要な耐久性を持つ生物原料由来のプラスチックを、非食用の植物を使って世界で初めて開発した。食糧不足の懸念を引き起こさず、安定した供給力を見込める非食用植物資源であるセルロースを主原料に利用し、高い植物比率と耐久性を両立させた。2013年度内に電子機器向けの実用化を目指す。

 セルロースは植物の茎や木材の主成分で、多く産出が見込める植物資源。硬く熱や水に溶けないため、人間の食用には適していない。今回、カシューナッツを生産する際に大量に出る殻から抽出される油状の天然有機化合物であるカルダノールを、セルロースと化学結合させて新しいバイオプラスチックを開発した。

 新開発のバイオプラスチックはセルロースとカルダノールを原料にすることで、セルロース系の従来のバイオプラスチックで必要だった石油系添加剤の大量混合を不要にし、植物成分率を70%以上に向上させた。さらに、化学反応しやすいようにカルダノールの質を改めてセルロースと化学結合。加熱時の溶融性や強度、耐熱性、耐水性を同時に実現した。

 植物原料のバイオプラスチックの1種として、ポリ乳酸の量産が最近進んでいるが、ポリ乳酸は家畜飼料用の穀物から生産したデンプンなど食用の植物資源が原料。将来の食料不足につながらない非食用の植物資源を使った新たなバイオプラスチックが求められていた。NECは今後、実用化に向けて量産技術や用途に合った実用性の研究を進めていく。

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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