一般財団法人環境イノベーション情報機構
JFEグループ、地中熱利用空調技術の効果を実証、環境省が承認
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2010.08.04 【情報源】企業/2010.08.02 発表
JFEグループは、川崎市と共同で進めている研究事業「鋼管杭を利用した地中熱利用空調システム」の実証試験を実施し、その結果について環境省の承認を取得した。この技術は、年間を通じて温度が一定を保つ地中熱を熱源に使うもの。先端が閉じた鋼管の杭を地中に埋め込み、鋼管の内部に水を満たして設置。水を冷媒としてくみ上げた地中熱を、熱交換器を通じてヒートポンプに取り込み、冷暖房に使う仕組みだ。2009年6月、環境省の環境技術実証事業に採択され、川崎市と共同研究を進めてきた。
川崎市は、同システムを幸区の「南河原こども文化センター」に設置。冷暖房の出力や消費電力の省エネ効果、地盤への影響などを調査。従来の空調と違って排熱を室外へ放出しないことから、ヒートアイランド対策としても効果がある。冷房時に約40%の省エネ効果があり、地中への影響もないことを確認した。この試験データを今回、環境省が承認。環境省から「環境技術実証事業(ETV)マーク」がこの技術に対して付与された。地中熱を利用したヒートアイランド対策技術分野でのETVマーク取得は初めてだという。
JFEグループは、地中熱利用空調システムが都市部のヒートアイランド対策だけではなく、未利用のエネルギーを活用したCO2排出削減技術として有効ととらえ、素材の製造から施工まで、幅広い商品開発と普及の促進に取り組む考えだ。