一般財団法人環境イノベーション情報機構
第45回ITTO理事会開催 2006年協定の早期発効を求める決議案を採択
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2009.11.19 【情報源】林野庁/2009.11.19 発表
2009年11月9日から14日まで、横浜市西区みなとみらいのパシフィコ横浜で第45回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会が開催された。ITTOは熱帯林保有国の環境保全と熱帯木材貿易の促進を両立させることによって、熱帯林を持つ開発途上国の経済的発展に寄与することを目的とした機関。
持続可能な森林経営に関する政策立案活動と造林・森林経営、林地復旧、人材養成などの具体的なプロジェクト活動を行っている。
今回の理事会では、[1]「2006年の国際熱帯木材協定」(2006年協定)の発効準備、[2]国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)における森林に関する議論の報告、[3]テーマ別プログラム、[4]個別プロジェクト等への拠出−−などが議論された。
このうち[1]については、本年9月末時点の2006年協定の締結国数は25か国であり、依然として現加盟国60か国の半数に満たないことが報告された。締結国である日本からは、未締結国に対して早期の締結を呼びかけ、2006年協定の早期発効を求める決議案を理事会に提出し、採択された。また、最大の熱帯木材輸入国である中国が締結のための国内手続きを終えたこと、最大の熱帯林を有するブラジルが早期締結に向けた努力をしていることをそれぞれ表明した。
[2]については、森林・熱帯林と気候変動の緩和・適応に関するUNFCCCにおける議論の進捗についての報告がされた。また、森林の減少・劣化からの排出削減(REDD)におけるITTOの活動及び役割についての提案が行われた。
提案の中では、熱帯林の持続可能な経営の推進が、森林劣化の抑制及び劣化した森林の回復という観点に密接に関連していることから、ITTOは、この観点に焦点を当てた活動に取り組むべき、との勧告がなされ、今後検討していくこととなった。
また、[3]については、5つあるテーマ別プログラムのうち、これまで拠出されていなかった「コミュニティーによる森林経営と事業」及び「貿易及び市場の透明化」の2テーマを含む、4つのテーマ別プログラムに対して、計約350万ドルの拠出が表明された。
さらに、[4]については、10件の個別プロジェクトに対して、合計353万ドルの拠出が表明された。このうち、アマゾン流域の違法伐採の根本原因の軽減に資するため、ペルーの天然林の低質材利用促進技術の開発・普及やブラジルの未利用樹種や低質樹種の木質フローリング生産チェーンのモデルの開発等に対する林野庁(103万ドル)の拠出を含め、日本からは約320万ドルの拠出を表明した。また、事務局が実施する活動に対し、合計124万ドル(うち日本は69万ドル)の拠出が表明された。
なお、次回理事会は2010年12月13日から18日の予定で、横浜市において開催することが決定された。【林野庁】