一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 日本の温室効果ガス削減目標を批判
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2009.06.17 【情報源】/2009.06.10 発表
日本を訪問中のドイツ連邦環境省のマハニヒ事務次官は、6月10日、日本が温室効果ガス排出量削減の中期目標を打ち出したことを歓迎すると同時に、この目標は不十分であると批判するコメントを発表した。概要は下記のとおり。「日本の温室効果ガス排出量は1990年以降、増加し続けている。日本が発表した2005年比15%削減という目標は、EU並びにドイツの目標からは、かけ離れており、国際的な責任を果たしていない。これは、失望に値する目標であり、現在の気候交渉を困難に導くものである。
気候変動を抑制するために、工業大国の責任を公正に果たし、気候保護のために中国やインドといった途上国の大国を巻き込み、コペンハーゲン会議での気候保護交渉を成功に導くために、この目標は、日本の最終決定であってはならない。
事務次官は、工業国と途上国の責任には差異があるとして、以下の点を強調。
(1)世界全体の目標は、温室効果ガス排出量を2050年までに少なくとも50%削減。
(2)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)で示された、工業国全体の削減目標は、2020年までに25〜40%削減。
(3)途上国が温室効果ガス排出量を削減するための実効性のある対策を盛り込んだ国家行動計画の策定。
(4)排出量の削減と気候変動への適応のための途上国への財政支援。
(5)工業国と途上国がともに関わる手段の利用に関する決定メカニズム。
世界第2位の工業大国である日本の状況は、エネルギーや資源への依存度、エネルギー効率化技術の開発、新しい市場の獲得等、ドイツの状況とよく似ている。しかし、ドイツは、気候変動を負担ではなく、チャンスと捉えている。
ドイツ産業連盟(BDI)ですら、連邦政府に、その野心的な気候政策を継続するように要求している。【ドイツ連邦環境省】