一般財団法人環境イノベーション情報機構
東海第二発電所の出力低下は運転手順書の記載不備が原因
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2001.12.26 【情報源】原子力安全・保安院/2001.12.25 発表
原子力安全・保安院は、平成13年12月10日に東海第二発電所(沸騰水型、定格出力110万キロワット)でおこった出力低下の原因・対策についての日本原子力発電(株)から提出された報告書が妥当であるとの判断を示した。東海第二発電所では10日に2台あるタービン駆動原子炉給水ポンプのうち1台の封水出口配管から蒸気漏えいが見つかっており、原子炉水位の低下は漏えい部分の補修を行うため、電動駆動原子炉給水ポンプへの切り替えを行っていた時に起こった。
日本原子力発電の報告によれば、タービン駆動原子炉給水ポンプを手動停止し、電動機駆動原子炉給水ポンプからの給水へ移行させる過程で過流量防止回路が作動し、電動機駆動原子炉給水ポンプの流量が制限された結果、原子炉水位が低下した。
なお、ポンプへの切り替え時の状況によっては、過流量防止回路が作動し、原子炉水位が低下する可能性がもともとあったが、これまで運転手順書には注意事項などの記載がなかったため、日本原子力発電としては、この件について運転手順書に記載するとともに、手順書改訂を総合的な視点から行うための運転手順書検討会を新たに設置し、原子炉出力に影響を与える予備機への切替操作についての記載を確認するとしている。【原子力安全・保安院】