一般財団法人環境イノベーション情報機構
セメントキルンでの肉骨粉焼成実験結果を公表
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2001.12.20 【情報源】農林水産省/2001.12.19 発表
農林水産省は平成13年11月30日に大分県津久見市の太平洋セメント(株)津久見工場で実施したセメントキルン(セメント窯)での肉骨粉の焼成実験の結果を公表した。この実験はセメントキルンでの肉骨粉処理の基礎的な知見を収集するために実施したもので、密閉容器に入れたままの肉骨粉を1000〜1500℃の温度で燃焼しているセメントキルンに投入する方法で、1時間あたり1トンの処理をめやすとして計5時間焼成した。
セメントキルンでの燃焼は1500℃弱の高温での処理となるため、牛海綿状脳症(BSE)の病原体といわれるプリオンが完全分解され、処理後の肉骨粉をセメント原料として再利用できる可能性がある。
今回の実験の結果では、(1)肉骨粉の飛散、(2)肉骨粉の処理しやすさ、(3)セメント原料として再生利用するための成分の適合性−−とも問題がなく、農林水産省の牛海綿状脳症(BSE)技術検討委員会でも試験の結果をもとに、セメント化は肉骨粉の処理方法として適当であるとの意見を付している。
なお、すでに環境省でも、ごみ処理業の許可がないセメント製造業者が肉骨粉をリサイクル原料として利用できるようにするため、廃肉骨粉中のカルシウムのセメント加工について「再生利用認定制度」の対象に追加している。【農林水産省】