一般財団法人環境イノベーション情報機構
大気汚染物質濃度と呼吸器疾患有症率に相関見られず 3歳と6歳児計約17万9,000人対象、17年度調査結果
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2007.10.31 【情報源】環境省/2007.10.31 発表
環境省は平成19年10月31日、全国38地域・約9万5,000人の3歳児と34地域の約8万4,000人の6歳児を対象にした17年度の「大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査」(注1)の結果と、9〜17年度の同調査経年変化の解析結果を発表した。この調査は地域住民の健康状態と大気汚染との関係を定期的・継続的に監視し、必要に応じて適切な措置を講じることを目的として毎年実施されているもので8年度に調査が開始されている。
17年度調査の結果としては、大気汚染物質濃度の低い地域と高い地域でぜん息有症率を比較した場合、高い地域のほうが有症率が高くなる傾向は見られなかったほか、大気汚染物質濃度とぜん息有症率との関係をリスク比で表わす調査でも、大気汚染物質濃度が高くなるほど有症率が高くなることを示す結果は得られなかった。
大気汚染物質以外の要因では、3歳児調査では、性差(男児のほうが多い)、母や母以外の家庭内喫煙、ペットの有無、昼間の保育者、生後3か月までの栄養方法、本人や親のアレルギー疾患既往歴、6歳児調査では、性別、母や母以外の家庭内喫煙、暖房方法、居住年数、生後3か月までの栄養方法、本人や親のアレルギー疾患既往歴−−などの要因を持つグループの有症率が比較的大きく、統計学的にも有意な差があることが確認された。
また9年度〜17年度調査の経年変化を解析した結果では、ぜん息有症率の変化と大気汚染濃度の変化に関連性は見られなかったという。
(注1)この調査は、これまで3歳児を対象にしていたが、今回3歳児に加え、6歳児を対象に調査を実施した。【環境省】